マイクロドローン映像の良さを最大限引き出すためには、視聴者を飽きさせない緻密な構成が重要です。本ページでは一部の公開作品とその構成意図をご紹介致します。
福島の米袋工場:シコー様のバーチャル工場見学ツアー
米どころ東北地方。その流通を支える米袋の製造過程を、マイクロドローンで撮影。米消費の減少により米袋の需要が縮小しています。この中で、シコー株式会社の白石新社長はオモロイ独自性を求める成長戦略を模索。工場内部の様子にエンターテインメント色を添えた動画を作ることに決定しました。
特に1分35秒のシーンは必見。東北から米袋の面白さを発信するべく社長・社員・パイロット全員で取り組んだ映像作品です。[メイキング映像]
また、仙北インターナショナルドローンムービーフェスティバルでグランプリを受賞。以下審査員コメント。
米袋の製造過程を描くという題材の新鮮さと、マイクロドローンを使って撮ることでこんなにも面白くなるというドローンの新しい可能性を見せてくれました。さらに全編をワンシーンワンカットで撮るという撮影技術の巧みさにより、完成度の高い作品となっています。ドローンの映像がこんなに面白く、エンターテインメント性があることを再認識させてくれました。題材はまだたくさんあることを示してくれた非常に意義のある作品です。
愛知の製缶工場:側島製罐様のバーチャル工場見学ツアー
缶ができるまでの「裁断→成形→組立→検品梱包→出荷」といった製造過程を2分20秒にギュっと詰め込みました。
現地撮りしたSE(サウンドエフェクト)で臨場感にこだわるのはもちろん、中のスタッフの方の会話も盛り込むことで、活発な社風を演出しています。
後継の石川貴也さん率いるチーム側島はチームワーク抜群で、細かい連携が求められる撮影構成を実現することができました。
また、ドローンムービーコンテスト2022で審査員特別賞にも選出。以下審査員コメント。
マイクロドローンを使った作品で工場見学をしているような気分にさせてくれる映像となっています。ワンカットで構成されていて、高い撮影技術と演者の演技と演出が融合した素晴らしい作品ですね。
兵庫県の縫製工場
コロナ渦で営業活動できない中、いかに自社工場をPRするかという課題を解決する構成を作りました。何度もロケハンを行い、電波到達距離ギリギリの中ワンカットで撮りきれるコースを綿密に選定。
特にこだわったのはSE(サウンドエフェクト)。ミシンの音・ドアの開閉音・周辺の鳥のさえずり・カシメ打ち機などすべての効果音を現地撮りし、映像のリズム感と臨場感を最大化。
精緻に作り込んだ甲斐あってドローンムービーコンテスト2021でファイナリストに選出頂きました。以下審査員コメント。
奈良のリノベーションホテル:MIROKU
オフィスビルをホテルにリニューアルした「MIROKU NARA」のプロモーションビデオです。
- 奈良という地域性
- 新規予約者が気にするポイント
- このホテルでしか味わえない空間の質感
を短時間で立体的に伝えられるよう構成を練りました。特に奈良の象徴であるシカさんはコントロールが難しく苦労しました。
SE(サウンドエフェクト)にもこだわり、近隣の「世界遺産 興福寺の鐘」・「東大寺庭園のせせらぎ音」など現地音を盛り込み、宿泊の疑似体験できるよう心を配っています。
2021コロナ復興つくば花火大会
3密を避けるべく打上場所を予告せず行うつくば市のゲリラ花火大会を撮影。打上花火を上からでも下からでもなく、中に飛び込むことでダイナミックな映像を撮ることができました。
撮影難易度が極めて高いため、3人チーム体制で運用。地上カットはマイクロドローン、花火カットは3インチ機と機体の特性を使い分けて撮っています。
この花火大会は自治体ではなく、つくば市の民間企業有志がお金を出し合って実現しています。協賛企業が自社の宣伝効果でわれるよう、2:26以降に映像付きのエンドクレジットを入れる構成に。
また、SNSでは9.2万回も再生され大きくバズりました。
シネマティックマイクロドローン撮影集
今まで撮りためたカットをつなぎ合わせて短編映画風に仕上げた映像です。BGMのビートとカットの変わり目を精緻に合わせることで没入感をより高めることができます。また、同じカットでもスピードの緩急をつけることで、映像にメリハリをつけることができます。
荒川区の銭湯:レッドクリフ / Red Cliff ~赤壁の戦い~
2020年1月に開催された銭湯ドローンレース、空撮部門応募作品。銭湯内で映画上映・スポーツ観戦・ヨガ教室などユニークなことに挑戦し続ける東京都荒川区の「梅の湯」さん。その面白さをアヒル型ドローンで遊ぶことで表現しました。
マイクロドローン仲間4人で応募したのですが、メンバーそれぞれの得意分野を活かし、視聴者が飽きない楽しいカット・アングルとなるよう工夫しています。
結果は惜しくも次点でしたが、審査員の皆様を笑いで沸かすことができました。
ウルトラマンvsゴジラ怪獣軍団
まだ撮影技術もカメラ性能も発展途上だった時代に作成した実験作品。ウルトラマンのソフビ人形(上半身)をマイクロドローン前方に取り付けることで、1人称視点でゴジラ怪獣たちと戦っているような映像体験を実現。
海外facebookコミュニティに投稿したところ、熱烈なコメントを多数頂きました。怪獣熱は海外のほうが高いようです。
この1人称手法を、自治体や企業のキャラクターで応用することで楽しい紹介ムービーをつくることができるでしょう。